こんにちは!さとしんです。
サッカーに関わる方は「トレセン」という言葉を聞く機会があると思います。
- トレセンって良く聞くけど、どんなところなの?
- 県トレって何?トレセンに種類があるの?
- トレセンに選ばれるにはどうしたら良いの?
これは、サッカーコーチをしていると、選手や保護者から良く受ける質問です。
トレセンとは「個の成長」を目標をした制度で、レベルごとに複数の階層に分かれて活動します。
今回は、ジュニア年代のトレセンの構造や活動内容、トレセンに選ばれたあとの注意点など解説していきます。
トレセンとは?優秀な選手の発掘と育成を目的とした制度のこと
よく聞く「トレセン」という言葉は実は略語です。
正式には「ナショナルトレーニングセンター制度」という名称です。
実際にはトレセンという言葉だけ覚えておけばOKですよ!
トレセンについて概要をまとめると以下の通りです。
- 優秀な選手を発掘し、良い指導や環境をあたえる
- トレセン活動は、チーム強化ではなく、個の成長が目標
- レベルの高い選手同士を集めて、選手に刺激をあたえる
所属チームで飛びぬけた力を持つ選手など、能力が高い選手を集めて活動を行う場がトレセンです。
例えば、所属チームの中で何か突出した能力を持っていると、簡単にプレーができてしまいます。
刺激もなく、考えてサッカーをする必要がないですね。
この状態では、選手の成長にとって良い環境であるとは言えません。
そのため、能力の高い選手同士で活動させることで、楽にプレーすることができない環境をつくり、刺激を与える場としてトレセンが重要になります。
また、各地域で埋もれている優秀な選手を発掘することもトレセンの大切な役割です。
県大会や全国大会に出場できないチームにも、優秀な選手はたくさんいます。
隠れた素晴らしい選手を見つけることができるかどうか?これは選手にとっても日本サッカーにとっても重要です。
ジュニア年代のトレセンの種類と活動内容!最大イベントはFFP!
トレセンは、1つではなく複数のステップに分かれています。
スタートは地区レベルの狭いエリア内での活動から、最上位は日本全国から選ばれた選手での活動が行われます。
定期的に行われる活動の中で、実力が認められると上位の階層のトレセンに参加することができます。
小学生のトレセンは地区トレセンからナショナルトレセンまで
U-12年代のトレセンは以下の様な構造になっています。
市区町村、地区単位での活動
都道府県単位での活動。
北海道トレセン、東京都トレセン、神奈川県トレセンなど。
地域単位での活動。
関東トレセン、九州トレセン、東北トレセンなど。
9地域トレセンの中で選抜された選手で行う活動。
U-12年代のトレセン活動の最上位。
このように、各選手のトレセン活動は地区トレセンからスタートします。
その中で選抜が繰り返し行われ、都道府県トレセン→地域トレセン→ナショナルトレセンとステップアップを目指していくことになります。
地区トレセンの活動は月数回の練習が基本
トレセンの活動内容について、最も身近な地区トレセンを例に紹介します。
以下の様な活動を実施しています。
- 月1~2回程度の練習会
- 年数回の試合
基本的には月に数回の練習が基本になります。
また、年間を通して他地区とのリーグ戦を行っている地域もあります。
地区トレセン以外でも「トレセンマッチ」という名称で、他トレセンとのリーグ戦が開催されています。
より上位のトレセンでは主に以下の様な活動を行っています。
- 都道府県トレセン
-
月数回の練習会、または試合
- 地域トレセン
-
年数回の練習会、または試合
- ナショナルトレセン
-
年数回の練習会、または試合
地域によって活動頻度、内容は違うのであくまで参考情報です…!
U12最大のトレセン活動はJFAフットボールフューチャープログラム
2015年から「FFP」と呼ばれる活動がスタートしました。
ジュニア年代で最大規模のトレセン活動です。
JFAフットボールフューチャープログラム トレセン研修会U-12
47都道府県トレセンから選抜された選手が集まり活動を行う場で、東日本、西日本の2か所で開催されます。
4日間のスケジュールで行われ、主には他都道府県トレセンとの試合を行います。
また、試合だけでなく、練習もスケジュールに組み込まれていたり、保護者向けのセミナーも開催されます。
FFPの概要は以下です。
- 毎年1回、8月初旬ころに開催
- 都道府県トレセンから16名(内2名はGK)が参加
- 東京×2チーム、他府県×1チームの計48チーム
- 東日本、西日本の2つに分けて開催される
- 試合、練習やレクチャー、保護者向けセミナーもある
FFPの参加を目標にしている選手も多いですよ!
トレセンに選ばれるためには所属チームの活動で結果を出す!
サッカーコーチをしていると、良く以下の質問を受けます。
どうやったらトレセンに入れますか?
結論、所属チームで地道に結果を残していくことが大切です。
基本的に、いきなりナショナルトレセンに選ばれることはなく、地区トレセンからスタートします。
地区トレセンの選考方法は以下です。
- 所属チームの指導者の推薦
- トレセンスタッフからスカウト
つまり、所属チームでの活動が評価されると、地区トレセンに参加することができます。
評価、選考の基準は以下の様な内容が考えられます。
- テクニック(止める、蹴る、運ぶ)
- フィジカル(走力、体力、体格)
トレセン指導者の好みで選ばれることもあります…!
とにかく、何か周りより秀でた力を持っているということが必要です。
また、軽視されがちですが、上位のトレセンに進んでいくためにはオフザピッチの行動も大切になります。
- オン・ザ・ピッチ
-
サッカーをしているとき
- オフ・ザ・ピッチ
-
サッカーをしていないとき
オフザピッチで求められる内容は、例えば以下の内容です。
- 自分のことは自分でやる
- あいさつをする
- ルールを守る
良いサッカー選手になるために、普段の生活から変えていきましょう!
【経験談】トレセンに選ばれた選手に伝えたいこと
僕は、選手としても指導者としてもトレセンに関わったことがあります。
その経験から、トレセンに選ばれた選手に伝えたいことがあります。
トレセンに入ることがゴールではない
トレセンを通して、周りにはもっと凄い選手がたくさんいることを肌で感じることができると思います。
そこで、自信を無くすだけではもったいないです。
自分より上手い人がたくさんいる。俺ももっと努力しよう!
地区トレセンに入れた!次はもっと県トレセンを目指そう!
このように、トレセンに入ることで新たな目標を見つけて、また頑張ってほしいと思っています。
また、トレセンに選ばれて、満足してしまう選手や天狗になってしまう選手もいます。
もし、プロサッカー選手を目指しているなら、トレセンに選ばれることで満足してはいけません。
あくまで、トレセンは通過点です。
自信を持つのは良いことですが、せっかくの才能をムダにしないよう、ひたむきにサッカーに取り組んでほしいです。
トレセンに選ばれなかったらプロになれないのか?
逆に、トレセンに入ることができない選手からは以下のような悩みを聞きます。
僕はトレセンに入れないし、プロになれないですよね…
結論、小学生時代のトレセン経験の有無とプロになれるかどうかは関係ないです。
もちろん、早い時期からレベルの高い環境でプレーする経験を持つことは、その後のサッカー人生で有利になることもあります。
ただし、人それぞれ成長のスピードは違います。
小学生時代は、周りの選手よりも小さくて足の遅い選手が、中学生になり成長期を迎えて周りの選手を追い越していく。
こんなことは頻繁に起こります。
高校生になってから、大学生になってから、急激な成長をする選手もいます。
いつどんなキッカケがあるか分かりません。
小学生時代のトレセン経験の有無だけで、将来の夢を簡単にあきらめてしまう必要はありません。
焦らず、努力を続けましょう!
トレセンは成長するためのひとつのキッカケ
今回は、トレセンの概要から注意点まで解説しました。
上位のトレセンに行くほど、良い環境でサッカーができるので、選手にとってものすごく良い経験になります。
もちろん、トレセンをひとつの目標にして所属チームの活動を頑張るというのもOKです。
ただし、トレセンに入ることがゴールではありません。
トレセンに入って、何を感じて、どんな行動をするか?が大切です。
サッカー選手として成長するために、うまくトレセン制度を活用できると良いですね。
最後まで読んでいただきありがとうございました!